ジャパントレックを終えて
- fletcherjapanstude
- 2019年2月7日
- 読了時間: 4分
MALDのHです。実は先月初め、約1年半ぶりに日本に一時帰国しました。と言っても、お正月の帰省ではなく、フレッチャースクールのジャパントレックの引率という「任務」のためです。年明け早々、私と、もう1人のアメリカ人の引率者、そして6名の参加者共に、京都、沖縄、東京を1週間で回りました。
フレッチャーでのジャパントレックは、私たちの一つ上の先輩方が始めたばかりで、今回で2回目。直接的には先輩方からの引き継ぎがきっかけとなって始めたジャパントレックの準備でしたが、フレッチャーの学生たちに日本のことをもっと知ってもらいたいという問題意識は、私たちの多くが入学以来、共有していました。今更ここで述べるまでもなく、新興国の台頭を始めとして国際情勢が激動する中、国際政治・経済等の文脈における日本の相対的な存在感の低下が指摘されています。残念ながらフレッチャーも、決して例外ではありません。私自身、1年半前、フレッチャーの入学式で現実を思い知らされました。学長が歓迎スピーチの中で、目下の国際情勢において注目するべきアクターについて列挙されたのですが、アメリカ、ロシア、中国、インド、EU・・・と来て、ついぞ日本が登場することはありませんでした。また、日々の講義においても、専攻分野の一つとしてアジア太平洋地域が設定されているにも関わらず、同分野内においても日本に特化した講義は存在せず、例えば中国と比べたときに、注目度の差は歴然としています。日本の存在感の低下が、日本が取り上げられる機会を減少させ、更なる存在感の低下を招くという悪循環とも言うべき状況です。率直に言って、この1年半、歯がゆい思いをしたことも少なくありません。
その一方で、個々の学生の中には日本に対して潜在的な興味・関心を持っている人も決して少なくありません。こうした学生たちが直接日本を知る機会を設け、まずはフレッチャーというコミュニティにおける日本に対する理解を深めていきたい。ひいてはそうした人材が将来の国際政治、経済等の分野に出ていくことによって、長期的な日本の国際関係の促進にも微力ながらも貢献できればという思いが、今回のトレックへと繋がりました。
約9ヶ月の準備期間の中では、トレックのテーマはどうするか、限られた時間の中で日本のどこを訪問するかについての検討に始まり、参加学生の募集、より多くの学生に参加機会を提供するためのスポンサー集め、具体的なアポイントメント先や宿泊先・交通手段の手配、ビザの手続き等々、チームメンバーで分担して準備に当たりました。それなりに学業も忙しい中ではありましたが、メンバー皆が積極的に取り組んだ結果、何とかトレック当日を迎えることができました。
日本での1週間は本当に目まぐるしく過ぎていきました。京都では古き日本文化に触れ、沖縄では安全保障問題や沖縄戦の記憶に触れました。そして東京では、フレッチャー出身の先輩方を含む多くの方々と、外交政策から社会起業まで、様々な分野について意見交換をさせていただきました。盛りだくさんのスケジュールの中、思わず参加者の皆さんに駆け足やダッシュをお願いしてしまった場面も一度や二度ではありませんでしたが、それだけ充実した時間となったことと思います。
今回のトレックは私自身にとっても大きな学びとなりました。出発前は、あくまで自分は引率者であるし、日本で生まれ育った自分が新たに学ぶことなんて、それほどないのではないかと、正直なところ考えていました。しかし、1年半をアメリカで過ごした後に見た日本、外国人学生と寝食を共にし、彼らと言葉を交わしながら見た日本は、それまでに知っていた日本とは大きく違う印象を残してくれました。特に、日本の伝統と未来、地方と都市、ローカルとナショナルの関係について考え直す良い機会となりました。そして、「多様性の国」アメリカと比べると、ともすれば均質的で多様性に欠けると考えてしまっていた日本が、実はこれほど多様な立場から物事考え、行動されている方々にあふれている国であることを知ることができたことも収穫でした。帰国後には仕事再開ですが、これまでよりも、もっと視野を広く持っていきたいと心から思いました。
今月、トレック参加者の皆さんとReunion partyを開く予定です。トレックでの思い出を肴に、日本滞在中は気が張っていてあまり飲めなかった日本酒を、少しだけ口にするのを楽しみにしています。
それでは次は、MALDのAさんにバトンタッチします。

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